彼の契約更新については、後で話すよ。
評価方法はそのままだけど、営業部は沈黙。
個人の問題だけど、結婚の話は進んでるの?
特例の「社宅」に引っ越しさせてるの。
いいね。なんでも応援するよ。
必要であれば予算計上。
試してみたことをメモ。考えたことをメモ。おっちょこちょいは治せない。
研修は外部の会社も利用できた。研修最終日の私の組に母の口約束による私のフィアンセとされる人物が数人いたそうだ。母が教えてくれた。
ヒタキが今回の採用に応募したのは、ヒタキが前の会社を退社(クビ)、その会社の自称私のフィアンセからの紹介。同じ研修でヒタキをあて馬に私との距離を縮めようとしたようだ。キャバ嬢のセキレイちゃんの話。
ちなみに、ヒタキの退社を追うようにその会社、取引先で数人の女子社員が半年のうちに続けざまに退社している。
「ヒタキさんが辞めるなら、この会社にいる理由はない。」
意外な人望に人事は驚いたという。総務のスズメさんがメールをくれた。
山での出来事で、フィアンセ話は全て解消消滅。母はヒタキには関心を示さないようにしてくれている。私がヒタキを調べただけでこの騒ぎ、母が関心を示せば、ヒタキに何が起こるかわからない。
それほどに彼女には力がある。
「彼」の手袋が研修参加者に支給された新製品だったのですぐに身元は判明。名前はヒタキ。なぜ偽名を使う!ヒタキは前日に研修を終ていて結果を待つ身だったが、成績は採用にいたっていなかった。
ヒタキが研修まで残れる成績でないことを人事部が不審に思い禁止されている縁故採用ではないかと再審査されたが、結果はシロ。
「知らん大学補欠に次点の繰り上げ!スレスレすぎるだろ!」
私がヒタキのことを調べたことで特殊技能枠での採用が決まった。あくまで縁故採用ではない・・。
「特殊技能あるのか?まあ、契約更新ですぐに、クビだな。」
ところが配属された開発部での評価は良好。同僚の話では、
「計算、書類のミスばかりだけど、突破力があるんだよ。さすが特殊技能者!」
「粉体にする前に混ぜてみたら?」
「混ざるかよ!あれ?できた!」